くれーまー その2

 家人から、
別にいいんじゃないの?しょっちゅう、しょっちゅう、クレームつけてるなら問題かもしれないけど
と言われて、

内心、((え?そうなの?複数回、こういうことがあるって、やっぱり私はクレーマーなの?))と思いながら、

おずおずと

「実はさあ、これが初めてじゃないの。あのね・・・」


デパートの和菓子屋さんでのことを話した。

あれは、私が義父にお菓子を贈ろうと思ってデパートに行った時のことだから、もうかれこれ3年前だろうか。

某有名和菓子店(のデパ地下出店)で、大量に届け物を依頼している男性客がいた。その人の注文は時間がかかりそうだと思って、私はほかの店員を眼で探したが、あいにく開店早々の時間帯なこともあり店員はひとりきりだった。
男性を接客している店員が私の方を見て
「お待たせしてすみません。もうしばらくお待ちください。」
と言った。
その男性客はいくつもの送り先の送付状を、その店員に書かせていた。(そんなの客自身にやらせればいいのに)と思いながらも、私は黙って待っていた。

そこに、中年のおばさん3人グループがにぎやかに押し寄せてきた。ショーケースを見る邪魔になってはいけないと思い、私はそこから少し離れた。彼女たちは、ぺちゃくちゃおしゃべりをしながら、何を買うか相談していた。
ようやく男性客の用件が終了したようなので、私が注文をしようとショーケースに近づくと、おばちゃん3人組がギロっと私を睨んだ。
「私たちが先です。」
と言って注文をし始めた。
いえいえ、私の方が先にいたし・・・と、店員の顔を見るが、彼女は3人組の勢いに圧倒され、私に
「すみません。しばらくお待ち下さい」
と言った。
私もたじたじするくらいのおばちゃん3人組の威力では、仕方ないかと同情もする。
実際、私は
「いえ、私はそこでずいぶん前から待っていましたのよ。あなた方がいらしたから、離れただけですのよ」
とは言えなかった。言えないほどのパワーある3人組のおばちゃんたちだった。


店員は確かに私が先にいたことを見ているわけだし、私にもちゃんと「もうしばらくお待ちを」って言っていたはずだから、忘れたとは言わせない。
そして、どんなに怖そうなおばちゃんたちでも、店員のあなたはプロでしょうが。私が言えなくても、店員は店員の立場で言わねばならないでしょうが。

若い店員の気持ちはわかるけれども、ここは店員としてしっかりして欲しい。
そうは思っても、そこは小心者にわかセレブの私としては、そんなことをゴタゴタ言いたくはない。(言えない)

なんの事情も知らず、自分たちの方が先だと主張する3人組のおばちゃんには、私が横入りをしようとしている図々しいオバサンとしか見えないのだろう。そもそも私が説明することでもないし、たとえ説明しても、他者をまったく見ずに猪突猛進してショーケースの前に来た3人組のおばちゃんたちに通じるはずもないだろう。オバちゃんという生き物は、自分の目的がはっきりしていると周囲なんて見ていない特質がある。私のような立派な存在感ある肉体をもってしても、彼女たちの目には映っていなかったものと思われる。

3人組のおばちゃんたちは、当然の権利として
「これとーこれとー、それから、こっちもいいわよねえ~。」
などと注文をしている。

3人の意見がなかなかまとまらず、あーだこーだ。時間がかかりそうだった。私の注文はすでに15分も前から決まっているんだけど。。。

私は、ひとりたたずみながら・・・急にバカバカしくなり、別の和菓子店のものを贈ることに変更し、その場を黙って立ち去った。


帰り道、思い出してみる。
やはり釈然としない。


そのデパートは、東京でも老舗中の老舗だ。出店している和菓子店も有名な老舗だ。他店とは品格が違い、デパ地下の中でも、最も奥まった良い位置にある。デパートの「売り」でもあるはずだ。
私は、そのデパートのカード会員になっている。誰かに贈り物をする時には、必ず利用している。地下食料品売り場も時々利用しているし、レストランも使っている。だから、私のデパートライフを快適にするためにも、和菓子店に対してではなく、デパートにメールを送ることにした。

すぐにメールの返事が来た。

出店しているところは、それぞれが派遣されてきた人が店員となっているので、直接デパートの人間が売り場に立っているわけではないものの、デパート全体の責任として従業員教育は統一して行っているそうだ。朝礼でも、いつも接客に対する注意事項は繰り返されているらしい。デパートがもっとも力を入れているのが、お待たせしている客への対応だそうだ。つまり、私が経験したような順番抜かしは、あってはならないことらしい。
デパートの社員ではないものの、派遣されてきた店員に厳重注意をすることを約束してあった。

そう。だったらお願いね。

しかし、メールの端々に、デパートの店員ではないことを明記しているあたり、ちょっとねえ。


この話あたりになると、家人は、
「そもそも、送付状を店員に書かせていた男性がおかしいよね」
と、真っ向勝負を避けてきた。

「うーん、やっぱり私ってクレーマーなのかしら。」

しばらく黙っていた家人は、

「まあ、そんなこともないんじゃないかな。」

(かなり曖昧な言い方になってる)

「まあ、メールでクレームつけただけだし、いいんじゃないの。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・」




タイトルに その2って書いてあるってことは・・・まだつづくのか~。 いえいえ・・・そんなには ないです。

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