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zoom RSS 1980年代 香港(10)ーピアノ編ー

<<   作成日時 : 2018/06/06 16:04   >>

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 私が香港での音楽生活を広げたことで、かなり楽しく充実した毎日になったことは間違いありません。

 女声コーラスは、老人ホーム慰問をしたり、日本人会の音楽会に出るという目標を持って練習を続けていました。

 毎年「日本人音楽会」があるということで、組曲や小曲をいくつか集めて練習していました。

 そして、その日。いつだったか忘れましたけど、、、

 音楽会日和だったと記憶しています。

 私はステージデビューをしました。

 コーラスの伴奏だけでなく、声楽家の伴奏も頼まれておりました。

 もちろん、私の尊敬するピアニスト先生は、大曲をご披露くださいましたし、他に音大出身の方々の演奏で、音楽会は大成功に終わりました。


 それまで、ひっそりと香港の片隅で暮らしていた私が、表舞台に立ったことで、突然、有名人になりました。

 レストランで食事をしているところに、見知らぬ方から
 
 「こんにちは」
と、声をかけられ、面識のない方だったので戸惑ったことがあります。

 「音楽会で、ピアノをお聴きしました」
と、言われて、まあ、そんなただの伴奏者の顔を覚えているものなんですね〜と、驚きでした。



 音楽会から数日後に、知らない方からお電話がありました。

 「ピアノを教えて欲しいんですけど」

 なぜ? えっ!? 

 「どうして、我が家の電話番号がおわかりになったのですか?」
と、お聞きしますと、、、

 音楽会でピアノを弾いている私を見て、「あの人、どこの会社の人?」って、お聞きになり、会社が判明すれば、学校関係者で同じ会社の人を探し当て、電話番号を聞くという方法で、案外あっさりとわかるらしいです。

   (Y夫人か!!)

 当時は、ネット時代ではありませんから、個人情報保護とかセキュリティなどという危機管理には、無頓着だったかもしれません。人に聞かれて、その本人の承諾も得ずに電話番号を教えることなど、日常茶飯事だったのかもしれません。


見ず知らずの方から、いきなりの電話がかかってきたこと、心底 恐ろしい日本人社会だと思いました。
ちょっとピアノを弾いただけで、レストランで声をかけられるだけでなく、電話までかかってくるのですね。

Y夫人から、何も聞いていませんし、いや、Y夫人かどうかもわかりませんけど、、、
他にいます?いないです。
小学校関係者は、、、

 ま、それは、どうでも良いのですが、(良くないけど)

 

 「お話はわかりました。私の先生と、会社の社長に相談した上で、お返事します」
と、まずは即答を避けました。

あ、その方が、電話の最初で

 「丸々会社の 何々と申します」
と、会社名から名乗ったこと、私は違和感を持って聞いていました。


どこの会社だろうが、私には関係ないことです。
むしろ、子どもの年齢、性別、ピアノ歴などの情報の方が大事です。

それはともかく

 ワーキングビザを持っておりませんから、海外で私が働くことはできません。

 ただ、会社の事前研修では、
 「茶道、華道などの免許をお持ちの方が、現地で教えて差し上げることなどは、積極的になさってください。」
という話でした。

 ピアノは、そもそも免許という制度はありませんけど。 ← ここ大事なのです。

 ピアノ教師の資格というものは、この世に存在しません。

 大手楽器店が、独自にグレードを設け、試験に合格した人が講師になれるという制度は作っていましたが、それは、あくまでもその会社の規定であって、日本全国には、「町の先生」というのが、ゴロゴロいました。

 音大を卒業したとしても、そこにピアノ教師の資格というものはありません。教職課程を取っていれば、中学や高校の教師資格は取得できますが、ピアノの先生の資格というものは存在しません。そういう意味では、私は幼稚園、小学校の教諭資格を持っておりますから、音楽の先生もできます。


 で、私は先生にご相談申し上げました。

 「そりゃ〜教えてさしあげて〜。日本人の先生が不足していて、みなさんお困りなんですもの。
  喜ばれますよ。お月謝は、月400ドル(16000円)くらいで、お教えになったら良いですよ。」

と、おっしゃってくださいました。400ドルというのは、某有名私立音大のピアノ科出身の方が、その金額をお取りになっているので、その方と同じでよろしいでしょう、ということでした。

 と、と、と、とんでもない。

 彼女とは友達づきあいをしていただいていましたが、それはそれは素晴らしいピアニストです。香港でも立派なグランドピアノをお持ちで、ホンモノの先生です。こんな私のようなチンピラが、同額というわけには参りません。

 会社の社長も

 「いい話じゃないか〜。 どうせ、yu_mama、家にいて暇なんだろ!
  習いたいっていう人に、教えてやったらいいじゃないか。
  ただし、10人くらいまでにするんだな。 あんまり手広くやるなよ!」

と、薦めてくださいました。


 そこから、私は教え始めることになりました。お月謝は、先生のおっしゃった金額の半分ほどに決めました。

 一応、Y夫人にもお伝えしないとならない!と思いまして、申し上げましたら、ご存知だったようです。

   (やはり、あなただったのね、私の電話番号を安易に教えた犯人は!!)

 その時、Y夫人から

 「あなた、教えるのはいいけど、ピアノの先生の資格もないんだから、
  ただで教えたら〜。」
と、言われました。

 ふん!? 資格って、この世にないですけどね。 無料って!? なんですか?それ。

 う〜ん。何もわかっとらんね〜と思いながら、説明しても仕方ないので、黙っておりました。

 当時の私、とてもおとなしい人だったんですね。


 確かに私は、Y夫人のお嬢様にも、工場長夫人のご子息にも、それぞれ1度だけ、無料でピアノを教えたことあります。
会社の部下は、ただで使って良いものと思われているようです。
私、何度も申し上げますが、会社員ではありません。あなたの部下ではありませんけどね!

 

 会社の新年パーティーをホテルでやった時にも、私はカラオケ担当で、ピアノを次々と弾かされました。カラオケの機械などありませんでしたので、私がカラオケがわりに演歌の伴奏をするわけです。もちろん、知らない曲もたくさんありつつ、与えられた楽譜を初見で弾いておりました。

 パーティーの食事もそこそこにピアノの前に座って、全員の歌の伴奏をしたわけですが、、、もちろん、謝礼なんてあるはずもありません。ま、期待もしていませんでしたけど。。。


 まあ、そんなこともありながら・・・

 私は、正式にピアノを教えることを決めました。


 おひとりに教え始めたら、噂は、あっという間に広がります。それは、いつの時代も「海外あるある」です。

 あっという間に、10人になってしまいまして、あとはお断りさせていただきました。

 
 しばらくすると・・・悪い噂が流れ始めます。

 「あの方、資格もないのに、ひとりおいくらのお月謝をとって、
  10人の生徒がいるから、いくらいくらを稼いでいるのよ」


 噂の発信源は想像できます。しかし、私は生徒の人数など、誰にも言ってませんけど。。。

 怖い!

 怖いったらない!!!

 誰か、どこかで我が家に出入りする人数を 数えてるのか!?

 
 そして、とうとう会社社長に密告電話が入るのです。

 「お宅の会社の社員妻が 無資格でピアノを教えていること ご存知ですか?」

 って。


 
怖〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ

 

 

 

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
ここまで一気に読んできました まるで絵に描いたような社宅妻(私の会社も昔は殆ど社宅住まいでしたから)の生活で、そうだろうねえと思い当たることばかりで惹き込まれてしまいました。国内ならそれでも気晴らしにどこへでも行けますが、芸が身を助けましたねえ
サヤ侍
2018/06/09 11:55
サヤ侍さま
社宅生活ね〜。なるほど。
私の子供時代は、公務員住宅住まいでしたから、母はこういう経験があるのかしらね。私は、そのような渦に巻き込まれたことがないまま大人になりましたので、本当にびっくりの海外生活でした。
ピアノの先生に出会えたこと、コーラスに参加したこと、これは大きかったです。他にも趣味の集まりはあったのですが・・・うちの会社の方は、何もなさっていなかった!!
yu_mama
2018/06/09 13:49

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