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zoom RSS 1980年代 香港(16)ーK夫人編ー

<<   作成日時 : 2018/06/15 12:10   >>

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 新人帯同妻K夫人は、私より5、6歳年上の方でした。3歳の息子くんを連れての香港生活スタートでした。

 その頃のY夫人は、私が毎日はつきあえないために、ご近所にいらしたばかりの新人ママ友さんとべったりなさっていたようでした。よきかな、よきかな。

 そろそろ帰国が目前に迫った(と、本人が勝手に思い込み) ということもあり、

 「Kさんのご案内は、あなたがなさってね〜」
と、おっしゃり、K夫人には全く興味がない様子でした。

 

 私が、最初にY夫人にしていただいたように、K夫人をあちこちにご案内しなければならないということです。

 と言っても、私がY夫人に市場に連れて行ってもらったのは、最初の1回だけです。あとは、彼女の買い物のおつきあいで、そのついでに店を教えてもらったという程度です。ほとんどY夫人の家の中で過ごしていたのですから、、、。
(Y夫人は、毎日、自宅に来てくれてべったりできる相手を欲していたようです。)


 そんなわけで、私も、まあ、K夫人を市場に1度お連れすればいいか! くらいに考えてお声掛けをしました。

 子供と家にこもっていた彼女は、救いの手が来た!とばかりに、

 「ぜひ、連れてってください」
と、即答でした。

 
 私は子ナシなので、子供のペースで出かける大変さを知りません。
 
 子供を市場に連れて行って大丈夫か? 

 ・・・・・

 大丈夫じゃなかったです。

 すぐに文句たらたら、歩かない、、、、。

 ああ、めんどくせ 面倒なことです。

 一応、市場の野菜や食肉売り場を案内し、解体されて吊るされている豚肉をどうやって買えば良いかということや、野菜の量を告げるには、どのように言えば良いかなど、私の知る範囲のことをお伝えしました。

 K夫人は、古風なおとなしい女性で、話し声がめっちゃ小さく、私は聞き取りに苦労しました。何しろ、市場内の騒々しさは小学生の遠足のようですから・・・。

 結局、私が全て彼女の要求のものを通訳する形で買い物を終えました。

 荷物は、当然のことながら私が持ちます。K夫人は大きな息子を抱っこです。

 子供も飽きているし、買い物も終えたから帰ろうと促すと

 K夫人が、

 「#$%&'(("!)」

 「は?」

 「あのぅ"#$%&'(('&%$」

 「え?」

 車の往来が少ないところで聞き直しますと

 「大根おろし器が欲しいんですけど」
と、おっしゃるではないですか!!!

 は!? えっ!? (これは聞こえているのに、その内容に驚いた私の反応です)

 普通、日本っぽい調理道具は現地では調達できないと思って、日本で用意するでしょ。

 生鮮市場から少し離れたところに、日用品などを売る店がありますが、私、そんなところで買い物をしたことはありません。

 「大根おろし器、あるかどうかわかりませんが、行ってみますか?」

 「うん。こっちにくる時に、もう古いからと思って捨てて来たので。
  大根おろし器くらい、こっちにあると思っていたら、近くのスーパーにもなくて」

 「・・・。」(普通、大根おろし器こそ、日本にしかないでしょ!!)

 そういうこと会社の事前研修で聞きませんでしたか?
日本のスーパーとは全く違うこと、欲しいと思う日用品が簡単に買えない国であること、日々の生活は日本とは全く違うと認識すべきことなど、何も聞いていませんか?
などの言葉は、私の心の中だけに留め、

 「事前研修には、どなたがいらっしゃっていましたか?」
と、訊いてみました。

 「工場長夫人でした。香港、な〜んでもあるから大丈夫よ、っておっしゃっていました」
って。。。。

 「・・・・・ふぅ」 (工場長夫人か〜!!罪なことを言うな〜。)

 工場長夫人は、滞在期間4年ほどのほとんどを大丸の近くで過ごした方です。
 そりゃーなんでも簡単に入手できるでしょうよ!
 だけど、九龍半島のローカルローカルした場所に住んだら、何も簡単には手に入りませんから!ムカッ


 日用雑貨がありそうな店を見つけては立ち寄りましたが、なかなかそれらしきキッチン道具は見当たりません。

 やっと、プラスティックケースの上に丸い穴がぽこぽこと空いていて、そこにギザギザがついているものを発見しまして、

 「これ〜あったわ〜〜〜」
と、私がK夫人にお見せすると

 「これ、本当に大根がおろせる? 
  こういうんじゃなくて、おろし金がいいんだけど、、、
  これって、野菜のスライサーで野菜を丸く細く切るんじゃないの?」
と、おっしゃいます。

 (これで、どうやって野菜を丸く細く切ることができるねん!)

 いえいえ、これ大根をおろすものですけどねえ。
下にあるプラスティックの箱型のところにおろした大根がたまる形状で、、、と説明いたします。

 だいたいね〜おろし金なんて、思いっきり日本のものでしょ!! 
 中華料理で使うとは思えないし、日本でも金属製のおろしがねより、こういうプラスティックのものの方が多いでしょうよ。あなた、どこから来たんですか!? 

・・・・って、言えればいいんですけど〜。

 現在の香港には、「日本城」(ヤップンセン)という日本のキッチン用品をたくさん置いている便利な店があちこちにありますが、当時は「日本城」ありませんし、大丸以外で日本のものを見つけるのは難しいことでした。

 他に探しても見つからないに違いないので、
「これ以上、ここでは無理だと思います。大丸にでも探しに行ってください」
と、お伝えすると、仕方ない顔で、そのプラスティック製品を購入なさいました。

 
 私は、ヘトヘトでした。K夫人もお上品な色白のお顔に汗をびっしょりかいておられました。

 ようやく彼女の家までお送りして、お荷物を部屋まで運んだところで、家にもあがらずに私は帰りました。


 やれやれ。

 その後、K夫人にお会いした時に、

 「あれ、おろしがねだったのね〜。生姜のすりおろしができたわ。」
と、言われました。

 そうでしょ。大根おろし器だもん。

 はい、めでたしめでたし。


 
 

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コメント(8件)

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奥様と言うのも人それぞれですねえ でも工場長婦人から何でもあるからと言われて来たのだからしょうがないか(;´`) 工場長婦人、S夫人にも先に帰国されてしまったY婦人の焦りはいかほどでしょうねえ。興味津々です
サヤ侍
2018/06/15 22:19
サヤ侍さま
いろいろな奥様がいらっしゃり、良い勉強になりました。
工場長夫人は、たぶん不安を与えないように豪快に盛っちゃったのでしょうね。(笑)
ただ、そうは言っても、まさか「おろし金」を持って行かないとは想像もしていなかったことでしょう。普通、日本特有のものに関しては、何が何でも荷物に詰めます!

Y夫人ね〜。同期の方々を見送るばかりで、取り残された感じが強かったと思います。
yu_mama
2018/06/16 01:10
ユーママさん、お疲れさまでした。
異国の地で不安な多かったと思いますが、ご自分のことだけでなくほかの方の面倒まで私にはとてもできません。
私も頑張らないといけませんよね。
パック
2018/06/16 06:18
お疲れ様です!と言うより他ない感じです😅
ドラマにはいろんなキャラクターがいますが、実際、事実は小説よりも奇なりで、個性的な(-。-;)方のオンパレードですね!
精神的に鍛えられて、何でもござれ!の気分でいらしたのでは?!😅
わらび
2018/06/16 09:52
パックさま
香港時代の私は、まだ若かったので、人のお世話などより自分のことで手一杯だったのですが、新しい方が着任されたら、最低限のことはお教えしなければなりませんでした。
K夫人は、古風というのか、時代を間違えて生まれてきちゃったようなおっとり系で、あの年代のコーラスにいるような方々とは違う雰囲気でした。

色々な方とおつきあいしてきた香港時代があったからこそ!今の私なんだな〜と思います。
パックさんは、十分に頑張っていらっしゃるから、ご自分を大事になさってくださいね。
yu_mama
2018/06/16 11:32
わらびさま
生きていれば、いろいろなところにドラマがありますね。私は、自分がいかにも正常な位置にいるような書き方をしておりますが、たぶん、他の方から見れば、私も相当な濃いキャラだったことでしょう。(笑)
若かったから、こんな人がいるんだ〜〜〜という目で見て、日本の友達にしょっちゅう手紙で報告していました。
日本の友達からも「まさに深田祐介の世界を見てるのね!」と、面白がられていました。
どこか楽しんでいたから、やってこられたという気がします。
yu_mama
2018/06/16 11:37
ほんとに まぁ〜
確かに 読ませていただくぶんには 大変 大変 面白い(ごめんね)
日本人奥様方は 丸投げ、依存型の方が多かったのでしょうね
大根おろし あの金型の ほとんどの主婦は使ってないでしょうね 料亭の板前さんぐらいじゃないですかね?

私も 声が異常に小さい人 会話が成立しないとき しんどいですよね
何度も 聞き返されて 気付かないのかな〜?
オオサカのオバちゃんの大声も 引きますが・・・笑

どりばる
2018/06/19 14:23
どりばるさま
あの方が、どのような形状のおろし金を香港で買おうと思っていたのか、いまだにナゾです。(笑)
まさか料理人が使うようなものを香港で買おうと思っていたのかしら。
よくわかりませんが、なんでも揃いますよって、言う方もいう方だけど、それって、日常の普通の食品などのことだと想像つきませんかね。
よりによって、おろし金を捨ててきて、香港で買おうと思ったっていう発想、なかなか凡人には思いつきませんわ。

香港の方々(中国もそうですが)、とくに声の大きな国民だと思うのです。市場の雑踏も、日本の野球場くらいの賑やかさだと思います。そんな中で、蚊の鳴くような声で話されても、ま〜ったく聞こえません。
私、当時は20代で若かったですし、とりわけ耳は良かったんですけど、まるで老人のように聞き返しておりました。
yu_mama
2018/06/19 17:19

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