92歳11ヶ月3週

 あと1週間ほどで 93歳になる父のその後・・・ は、どうなったかといえば、、、

 結論から言えば、良いことは何もない。

 むしろ、悪いことが積み重ねられ、その対応をひとりで担っている妹の負担が増すばかりという状況だ。

 年末年始に妹が実家に泊まり込んだことで、父は多分ある計画を練ったに違いない。

 3日まで泊まり込んでくれた妹は、また5日に朝から呼びつけられた。
   「めまいがひどくて、また転倒するのではないかという不安が強く、
    ベッドから離れられない」
という訴えだった。
妹は2時間かけて駆けつけ、以前かかった総合病院ERに連れて行った。
入院を希望していた父だが、家に帰らされた。


 9日に病院の予約が入っていたのに、その前に、こうして妹を簡単に呼びつけたあたり、父の策略は始まっていたのかもしれない。

 9日には、24時間心電図を取るという器具をつけるために病院に行き、翌日は、それを病院に返しに行かねばならない。その結果は、23日に出る。

 妹は、泊まり込みから始まって、年明け早々、何度も実家に駆けつけてくれている。義実家のお母様のお世話も、当然のように続いているわけだから、私は報告を受けるたびに 「またか」と心が沈む。

 私なら、絶対にできない。

 妹にも言われた。

 「yu_mamaには、無理よ。じーじは、めまいで倒れるというより、失神しているみたいだから、
  腰の悪い人には、支えきれない!
  私だって、一緒に尻餅ついちゃって、とりあえず頭などを打たないようにカバーするのがやっとだもん」

 失神するということになると、何か別の病気がありそうだ、と夫が調べてくれた。
その病名かどうか、病院に行く時には、妹から医者に質問してもらうことにしている。

 そんなこんなで、年齢を考えても症状を考えても検査中であることを考えても、何も良くなってはいないし、むしろ厄介なことが増えているという現状だ。

 

自分の身体が思うようにならないことに苛立ちを持つのは、誰でもあるだろうが、
もともとの性格が極度の苛立ち性分をしている父は、いつも以上のイライラを納める方法がなく、
妹に当たることも多いようだ。

 父の粗相したズボンを、近くのコインランドリーで乾燥させ、父の枕元に1本を置いて帰った妹に、

 「お前が、履きにくい小さなズボンを置いてって、それをようやく履いたが、
  ベルトを取ろうとして転んだ。」

と、電話をしてきた。 

人のせいにするのは、昔から父の特技だ。 
自分の虫の居所が悪いと(ほぼ、常に虫の居所が悪いというか、虫だらけの人)、 私の顔にまで文句をつけてくる父だったから、今の状態では、なんでもかんでも人のせいにして憂さ晴らしをしたいことだろう。

そして、妹はまた実家に向かう。

今度は、脳神経外科を受診したいという父。
 今までの病院では、心臓の不整脈が原因で一時的に脳に酸素がいかないことで失神のような状態になると予想され、循環器の検査を受けたが、父は自分の状態は脳からきていると判断したようだ。

 
 そこでの診断は、慢性硬膜下血腫というものだった。
だが、すぐに手術を要するというものではなく、漢方で溜まった血を減らせるということのようだ。

 妹は片道2時間、往復4時間。。。。 

 もう、どれだけ往復してくれたやら。

 そして、それはまだまだ続く。

 

 脳神経外科で順番を待つ間に、父はヘルパーさんのやってくれることへの不満を妹に訴え続け、

挙句には、

 「お前が引っ越して来て、俺の面倒を24時間見てくれればいいんだ」
と、とうとう本音を言った

ちょうど、その頃に呼ばれて診察室に入ったとのことで、
妹からリアルタイムで

 「ジョーダンじゃないわ!!! 」
と、私にメッセージを送ってきた。


 なに!?

 これだ、父の作戦は、これだったんだ。

何度も妹を呼びつけ、自分の具合の悪いアピールを繰り返した。
呼びつければ、何度でも往復4時間で駆けつけてくれる妹に、これでもか、これでもかと繰り返し呼びつけ、ネを上げるのを待っていたに違いない。

  もう、通ってくるのは大変だから、泊まるわよ、と妹が言い出すのを待っていたに違いない。

 それでも、なかなか妹が言わない。それどころか、いつでも何度でも淡々とやってくる。

 それなら、「自分ダメです」アピールをたくさんしよう!と、考えたのだろう。

 「もう、めまいが怖くて起きられないから、いっそのこと入院したい。夜、ひとりなのは不安でかなわん」
と、訴えた。

 でも、病院に行っても、入院はさせてくれなかった。

 これだけ、「夜、ひとりなのは不安だ」と言っていて、入院もできないとなったら、妹が「泊まるわよ」と言ってくれるに違いないと思ったのだろうが、言わない。

 ヘルパーさんの時間を増やしたり、介護認定申請の手続きなど、妹が進めているものだから、今度はヘルパーさんへの不満を、これでもか、これでもかと妹に告げる。

 これだけ言えば、「それなら私が泊まるわよ」と妹が言うとでも思ったのだろうか。

 それでも、妹が何も言いださないので、とうとう自分で言った。


 ま、そんなところだろう。

 父の考えそうなことだ。

 もうそろそろ、妹が「私、泊まるわよ、ずっといるわよ」と、言うだろうと踏んでいたものの、いつまでたっても言いださないので、自分から言った。

 そういうことだ。

 自分から言うには十分な伏線を敷いておき、明確な理由も示しておいて、妹に逃げ場がないところまで追い込んでいる。

 こういうやり方が、父の常套手段。
 この人、独特の思考回路なのだ。
 証拠固めをし、どこにも逃げ場がない状態にして、じりじりと追い詰めるようなやり方。
 まるで被告人を有罪へと追い込む検察官のようなやり方だ。

 私は子供の頃から、この手法で追い詰められてきた。

 父のやり方を学習してしまった私には、父の企てがわかる。

 妹は、聞こえなかった振りをして、スルーしたらしいが、

 「人の気持ち、人の生活なんか、何も考えられない人なのね。」
と、言う。

 私は、父の計画性に頭にくるのだが、
 妹は、「怒りというより、情けない人だなと思う」という感情だったようだ。

 何度も言うようだが、私たちが普通の穏やかな家庭に育ったなら、こんな状態になってしまった父をひとりにさせはしない。私は深センから戻って、父の面倒をみることを選択していたと思う。

 だが、そういう家庭に育たなかった私たちには、残念ながら、父と一緒に暮らすということのハードルが高すぎて、怖すぎて、苦痛すぎて、無理すぎて、1mmも考えられない。


 妹は、父から言われたことで頭がいっぱいかと思いきや

 「それにしても、頭にくるのは、病院で 奥さんって言われたことよ

 って!


 

そこ!?

 



確かに 32歳差だもんね~

 

この記事へのコメント

2018年01月19日 10:41
yu_mamaさんの文章には、必ずオチがあって、最後面白いですね~。
どんなに神経を尖らせて読んでいても、最後、ホッとする・・・これって難しいです。
yu_mamaさん性格からくるものかしらね。(#^.^#)

妹さん、こちらからでも「頑張って!!」とエールを送りたくなりますね。!(^^)!
2018年01月19日 16:49
なんだか、読み進むうちに、涙がじわぁーと出て来ました。歳、デスカネェ。
2018年01月19日 21:21
私にも近い将来、私たち夫婦との同居を希望している夫の両親(80代)がいます。
今のところは、果物や食材、何品かの手作りのおかずを持って、車で一時間半の所に 毎週か一週間置き位に行っています。それだけでもストレス感じる時がありますが、yu_mamaさんの妹さんは、二時間もかかる所に毎日のように通っていらっしゃるんですね!
頭が下がります🙇。
義両親は、極、普通の感覚を持った人たちですが(すみません😵)、同居、介護となると、大変なことだらけなんだろうなと今から覚悟を固めていってる途中です。
妹さんのように淡々とお世話ができたらいいなぁと思いますが、どうでしょう😵
yu_mama
2018年01月19日 23:31
お啓さま
いつも長文におつきあいくだしまして、ありがとうございます。
自分の中のトゲトゲしたものを文章にしますと、読んでくださる方には、不快感もあるだろうと思いますのでね、オチをつけたくなってしまうんですね。実際にオチが生産されているもので、助かります。(笑)

妹は、本当によくやってくれています。私にはできないです。
妹にそういうことを言って感謝の気持ちを伝えると
「yu_mamaは、子供の頃からひとりで嫌な思いを抱えてきたんだから、それに比べたら」
と、言ってくれます。
怒鳴られてばかりの長女と、怒られたことのない次女が、一つ屋根の下で別々に育ったという特殊な環境は、なかなか一般には理解されないことです。妹とだけは、この異常な世界をシェアできるんですね。
それにしても、高齢になって、ますます扱いにくくなった父の面倒を、よくみてくれていると感謝しています。
妹へのエール、ありがとうございます。きっと通じます。(読んでいますから
yu_mama
2018年01月19日 23:43
カラスさま
カラスさんが、ご同居のご両親をお世話し、今は入退院を繰り返すお母様の看病、介護をおひとりでなさっていることを考えますと、どれだけのご苦労がおありかと心痛くなります。
うちは姉妹二人いながら、今はひとりに任せきりの状態ですので、私は妹の話を聞くだけですが、それでも話せる相手がいるといないとでは違うかな~と思います。

歳をとるということは大変なんだな~と、つくづく思います。これから、私がどうすべきか、考えると気持ち暗くなります。
yu_mama
2018年01月19日 23:53
わらびさま
毎週のように通っていらっしゃるのですね。それだけでも、なかなかできないことです。
80代で、まだお二人ともお元気でいらっしゃるのは幸せなことですね。
ご同居をなさるとなると、生活のリズムも違ってくるでしょうから、どこで折り合いをつけるか、難しそうです。でも、普通は 感謝してくれると思うのです。

妹は義実家にも通っていますが、いつもお姑さんが、感謝の言葉をたくさんおっしゃってくださるから、疲れも吹っ飛ぶようです。
ご近所にも
「嫁がよくやってくれて。遠くから通って来てくれるんですよ」
と、おっしゃってくださって、妹は株が上がっているようです。
それでも、夜ひとりになる不安もあるようですし、これ以上の迷惑はかけられないから、と、施設入居を前向きに考えてくださっているそうです。

実家の父も、施設の話をしていたのに、、、気が変わったというか、できれば施設に入りたくないから、なんだかんだごにょごにょ言っているようです。父が普通の感覚の持ち主だったら、、、と、本当に残念に思います。
2018年01月22日 07:24
ーーーー大変だなー
yu_mama
2018年01月22日 11:19
seizi05さま
ーーーーー何かとーーーー
2018年01月23日 19:04
最後は笑いに誤魔化す優しさがyu_mamaさんにあるから苦労されるんでしょうね。私ならこんなオヤジなら最後の最後まできっぱり罵倒しますから
我が親父若い頃は戦争から帰ったこともあり、恐怖の親でしかありませんでした。夢にうなされるほど叩かれましたし、怒鳴り声ではすくんでしまいました。それでも今付き合うのは、私以上に虐められた姉が一生懸命面倒を見てるからです。
あなたの親父さんは少し自分中心過ぎる所がありますね。92歳でこの元気、親父みたいに104歳まで生きるかも知れませんよ、妹さんを守ってあげて欲しいですね。ちょっとお父さんにきつかったかな<(_ _)>
yu_mama
2018年01月23日 21:29
サヤ侍さま
頑固な父親とか、厳しい父親というのは、昭和のあの時代には結構いたのかもしれませんね。自分の気に入らないことがあれば、家で当たり散らすっていうのは、家にいるものは何が起こったかわからずに怒られるので、たまったものではありません。そういうオヤジでも、どこか救われるところがあったり、理由がわかれば良いのですけど、、、全く意味がわからなかったことと、私だけが怒られ、妹は怒られたことがないとか、私だけがテレビを見てはいけなくて、妹は見ても良いなど、理不尽に感じることばかりでした。

妹は、「お姉さんは、子供の頃から嫌な思いを一手に引き受けて来たんだから」と、言って、今は父の世話をしてくれています。
サヤ侍さんのお姉さまのように、私も日本にいたら、父の面倒を見ていたと思います。実際に、いた時には、私が世話をしていましたし。。。「仕方ない」と思ってしまうのです。放り出すことができないんですね。そこまで洗脳というのか、教育されてしまっていて、呪縛が解けないんですよね。
父は、自分で
「俺は、ワガママだ」
と、自認しています。だからね、自己中でいいのだ!という宣言をしちゃっているわけです。直す気はないし、俺はわがままなんだから、お前たちが俺に合わせろ!という論法です。
世の中、これでずーっと渡って来た人ですから、どうしようもないです。

サヤ侍さま、もっと言っちゃってください。
どりばる
2018年01月29日 16:50
こんにちは
結婚○○年記念に新婚旅行でいった 鹿児島に再訪してきました
指宿の砂蒸し風呂 初体験してきました

妹さんの体力 すごいですね 体がもっていることが不思議なくらいですね
娘たちにとって 一ミリも、一緒に暮したくない人が自分であること~~やっぱりそこがわかっておられない お父さんは憐れな方ですね 

それと 最近高くなったガソリン代も 妹さん たいへんな負担でしょうね
今日 アサイチで、DV加害者の意識は何だったのかをやっていましたが、本人は愛のムチ(ムチ)だと思っていたところが、、まったく被害者はやりきれないですね

そうそう、病院というのは 自動的に何も考えず 付き添いの人を配偶者と思うところがありますね
でも~うちの兄は兄嫁の付き添いで病院にいって 「お父さん」って呼ばれて がっくり笑ってましたが。。こき使われる方はたまりませんね
yu_mama
2018年01月30日 08:59
どりばるさま
何年経っても、いや、何十年も経ったからこその今の良いご夫婦の姿があるのでしょう。新婚旅行の頃を思い出し、懐しく、会話も弾みお酒も進んだことでしょう。
ごちそうさまです。

妹は、昔から体力自慢でして、ヘナチョコの姉とは比べ物にならない強靭な肉体を持つ人です。滅多に体調を崩さない人ですが、ひとたび崩すと入院するほどの「鬼の霍乱」を起こすので、そこが心配です。いやいや、メンタル部分では、かなりのダメージを受けていると思いますから、そちらもとても心配です。
妹は大体が電車で通っています。それこそ、朝のラッシュもあるでしょうし、ターミナル駅での乗り換え時には混雑するでしょう。遠足以上の距離を電車で行くのは、道路事情で時間が読めないこともあるかもしれません。

父は、まさに自分は正当な教育をした父親だという認識しかありません。私に、長女教育をしたそうです。それは、お墓を守るべき人間という教育だそうです。本人は「俺は、父親としてお前たちにちゃんとやってきた」のだそうです。

今時は、娘が父親を病院に連れてくるようなことは「ない」そうですから、かなりレアケースなのですね。まあ、大概は女の方が寿命が長く、年上の夫を病院に連れて行くというのが普通なのかもしれません。

女性の方が、身綺麗にしていますし、若々しいですから、、、って、お兄さん、そういうことじゃないですか~~~(笑)

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