世田子

 世田子と私は、大学入学の日に知り合った。

 ABC順の出席番号が近かった。

 以来のつきあいは、今なお続き、良い関係に感謝している。

 9年ほど前のブログ記事に
世田子とランチした時の話」が書いてあるのを発見した。

 優秀な彼女のお子たちは、当然のごとく、ご優秀な姉妹で、それぞれに日本のトップ大学をご卒業あらせられ・・・(って、こんな言葉使ったことないから、舌噛みそうだわ。)

 言っておくが、世田子自身も相当に優秀な人で、私と同じ大学に通うべき人ではない。どこかで何かを間違ったらしく、私と「ご学友」になったわけだが、本来は、日本のトップレベルの大学で研究に勤しむような人物だ。学部トップを続け、卒業式で総代だったことは、誰もが「当然」と認める聡明な人だ。


 そのお子たちが優秀でないわけがない。

 彼女と、その日のランチでの話題は、有名国立大学に集う優秀な若者たちのことを憂う話だ。

 現在、高学歴ワーキングプアなる言葉が囁かれるが、私たちは、そういうことに繋がるかもしれない内容を9年ほど前のランチタイムに話していたことが、ブログから読み取れてなかなか面白い。

 世田子は
「彼らは、上級公務員になってこの国を動かそうとか、この国を変えてやる!そういう気概がない」
ことを憂いていた。

 自分のやりたい仕事のために能力を生かそうとして大学に入ったのではなく、気がついたら、優秀な学生と呼ばれる部類に入っていたが、とくにやりたいと思うことがない。何につけても受動的で積極性がないことなど、あの当時から私たちは、語り合っていたのだ。

 このように書くと、優秀な世田子と私が「同類項、括弧で括る」みたいに錯覚するだろうが、人間は自分にないものを相手に求めるもので、私にはない豊富な知識と秀才の思考回路に、私は刺激を受け教わることが多い。

 そして、私にあって彼女にないもの。唯一、彼女に苦手があるとすれば、「うた」かもしれない。

 「声が出ないもん」
と、おっしゃるが、いやいや歌なんて誰でも何もなくても歌えるわけで、そのくらいは私に華を持たせようという彼女の配慮と優しさと思われ、、、いや、ホントに彼女の歌って、聞いたことないかもしれない。一緒に歌う機会があったとしても、私の声で掻き消していたと思われる。

 そんな彼女は「聴くことは好きだから」と、いつも私の演奏会には駆けつけてくれる。

 その彼女から心配のメールがきた。

 いつもそうだ。この人は、私が弱っていると察すると、声をかけてくる。

 私が、この合唱団で楽しそうに歌う姿をずっと見て来てくれたからこそ、私の今の失意を誰よりも敏感に感じ取ってくれている。

 「春の訪れとともに、肩が軽くなった、と笑顔で話してくれる日を心から待っています」
というメールに、私はジーンとする。


 世田子はパリやロンドンで生活をしていたが、ちょうどロンドンでノイローゼになりそうになりながら子育て中の頃、私は香港で子育てにてんやわんやだった。お互いに、海外子育ての苦労を経験し、海外の日本人社会での生活体験もしているので、共感することが多い。


 だから、今、私が深センで生活していることを、心から案じてくれている。日本でやりたいことを続けていても、海外に出るために、すべてを切らねばならない。そういう気持ちを誰よりも理解してくれていると思うと嬉しい。


 しかしね。パリやロンドンの世田子と、香港、ソウル、深センの私。

 やっぱり、どっか違うんじゃな~い? メジャーとマイナーの違いを感じている私。

 海外赴任先も優秀かどうかが現れちゃうのか?
 

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この記事へのコメント

あきさん
2017年02月06日 11:01
こういう文章には、どうコメントしたらよいのだろう・・・・100名以上の方がアクセスしているようですが・・・・コメントし辛いのでしょうね。
大やけどを負うことを承知の上で、あえて「難問」に挑戦してみようかと思います。
この文面には、まず第一にyu_mamaさんの非常に強い勝気な性格が現れていますね。
そして屈折した感情も・・・。
「世田子」こさんとの間で長年続いてきた「深い友人関係」は、恐らく彼女が貴女と正反対の性格の持ち主だったからでしょうね。
私はこのブログに対する「世田子」さんのコメントを読んでみたいような気持ちになりました。
こんなことをコメントにするのは、お節介の極みだろうと思いますね(微笑)。
余計なことを・・・・ハイ!そのとおりでございます。お許し下さい。お気に触られたら削除してくださいね。
yu_mama
2017年02月06日 13:11
あきさん
なるほど、この記事は、コメントしづらい内容でしたか。読み手にどのように読まれるかということなど、深く考えもせずに普通に書いた文章です。

勝気で屈折ねえ。そのように文章の行間から読み取られましたか。いやいや、読む方の捉え方はそれぞれですから、私の予想外の反応は勉強になります。なるほど、そういうふうに読めるわけですね、と思いましたが、ちっとも気を悪くするようなコメントではありませんから、ご安心ください。

世田子と私は、お互いに刺激し合い、同じようなことを考えていることもあったり、新しいテーマをお互いが見つけてきて話すこともできるという関係を続けています。彼女がコツコツと勉強をしていく秀才であるのに対し、私は感性で生きているので、お互いを尊重しあっていると私は思っています。
地道に生きている彼女から見たら、私のような存在は興味ある対象だと思います。そういう意味では性格はまるっきり違います。それゆえ、一緒にいて楽でもあります。
大学のゼミもたまたま一緒で、大学院に進学をしないか?と、彼女も私も教授から声をかけられ、二人とも断ったという共通点もあります。彼女は悩んだ末にお断りになったと思います。研究者の道を進みたくなかったそうで、
「もう勉強はこれでやめにしたい」と言っていました。私は、「原書を読むのが面倒だから」というバカバカしいほどの怠け者的発想でスパッとお断りしました。このあたりにも性格の違いが出ていますね。(笑)


最後の3行は、私特有の「オチ」ということで、笑ってくださいませ。

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