依存症か!?

 またまた父の話題で申し訳ないが。。。

 凝り性というのか、父は「これ」というものを見つけると、誰がなんと言おうとも信じて疑わないところがあり、「それ」に すがる習慣がある。

 例えば、私が高校生のころコンフリーという葉っぱがもてはやされた時期があった。非常に生育の速い大きな葉は、表面に産毛がちくちく生えていて決しておいしい食材ではないものの、ビタミン、タンパク質などの栄養価が評価されて健康食品として流行した。→ (その後、長年の摂取により肝障害を引き起こすと言われ、現在では厚生労働省が販売禁止を発表している)

 70年代当時、父はコンフリーが身体に良いと信じ、庭で育てて毎日それを食べていた。(天婦羅) 
そのうち、コンフリーの粉末が出回ると、それを食事にとりいれていた。もちろん家族の誰も、そんなものに興味もないので、父ひとりで続けていた。

 ある時、海外1ヶ月出張というのがあり、大事な大事なコンフリーの粉末を大量に荷物に詰め込んで出かけた。ところが、ヨーロッパ外遊中に風邪を引いた父は、コンフリー末を多く飲むことで治そうとしたらしく予定よりも早めに使い切ってしまうと計算したようだ。(コンフリーに風邪を治すという効能はない)

 父は日本に連絡をしてきて、1週間後にパリのホテルに届くようにコンフリー末をエア便で送れ!と指示して来た。

 コンフリーとは、今でいうところの青汁程度のものだ。当然、万能薬でもなければ風邪に効くなどという薬とは違う。ただの葉っぱにすぎない。が、父の思い込みは激しい。客観的にみれば笑い話のようなことでも、本人は真剣だ。コンフリーがなくなったら、この世の終わりくらいに思い込んでいるようだった。

 それがどんなに滑稽なことと人から思われようが、構わない。むしろ、少しは人の言うことに耳を傾ければ良いのだが、信じ込んでいる間は、それが効果のないものだなどとどんなに言っても耳に届かない。

 こちらも言われるままに送るしかない。送らなかったら、後々どれだけ怒られるかわかったものではないからだ。ヨーロッパと日本に離れていても私は父の影に怯えているものだから、パリのホテルの住所を書いた小包を準備した。


 コンフリー熱が、いつどこで終わったのか覚えていないのだが、紅茶キノコ、酢大豆、にんにく卵黄、プルーン、アシタバ・・・挙げればキリが無いほど、健康に良いと話題に上ったものは全て手を付けている。

 その度に、本人は真剣だ。幸いそれらを家族にまで勧めようとしないので助かるが、父には生命維持に必要不可欠だ!くらいに大事だったようだ。

 不思議なのは、今まで信じていたものを辞めて、他のものに移行する時に矛盾を感じていないらしいことだ。未だに、その真相を聞いたことはないのだが、あれほど信じきっていたものをスッパリ辞めたら、2度と戻ることはない。まるで、コンフリーなんかがこの世にあったことすら忘れているようだ。そして何事もなかったかのように紅茶キノコに心酔する。

 洗脳された人にどれほどの理屈を言っても届かないというのはわかる(ような気がする)が、その人が何かの機会に全く別のものに目を付けると、今まで信じていたものへの執着が方向転換して、新しいものにぞっこんになり、揺るぎない信頼を寄せて突き進むという姿勢は全く理解できない。

 
 何かにすがっていないと生きられない性分を見ていると、この人はとても弱い人なのだろうと思う。自分を肯定するためには、何かの手助けが必要なのだろう。

 それが、今の父にとっては「外反母趾対策もどきの靴下の儀式」だ。外反母趾がかなり悪化し、未だに悪くなり続けているのは自己流の対策をしているからだと、私たち姉妹は見ている。

 「お医者様に外反母趾を診せたことあるの?」

 「この対策方法は、誰に勧められたの?」
と、妹と私で訊けば

 「オレが考えた自己流だ。」
と答える。

 「それをしていて、良くなっているわけじゃないでしょ?」

 「悪くなっている。時々、寝ていても痛くて目が覚める。痛くて痛くてたまらん」

 「だったら、装具はつけない方がいいんじゃないの?」

 「これで悪化のスピードを遅らせているとオレは思っている」

 「・・・」


 なんの根拠もないくせに、自信を持って言いきる。

 左足には2個の装具、右足には包帯と1個の装具を四六時中つけているものだから、親指と人差し指(って、足でも言うのか!?)の間は、大きく開いている。逆に、小指が内反している。外反母趾and内反小趾である。親指の付け根は鋭角に曲がってしまっている。靴も合わないに違いない。

 「あのね、私も足にはトラブルを抱えていて、ずいぶん整形外科に通ったんだけどね。素人判断はいちばんよくないそうよ。こういう装具は効果がないんですって。私、最近になって靴をオーダーしたの。少し高いけどピッタリで、とても歩きやすくなったのよ。」

 「オレの靴も高い靴だぞ。麻生政権の時のバラマキ金でドイツの靴を買ったからな」

 それって何年前の話!? 足は変化するので、靴が合っているかどうかのチェックはコマメにしなければならない。オーダーの靴は、中敷や踵の具合を点検し不具合はすぐに直してもらえる。しかもドイツの靴型は日本人に合うとは限らないということも聞いた。

 色々な情報を伝え、そのすべてが医者や靴を作り続けている専門家の言葉であることも言うのだが、オレ流を譲る気持ちはないらしい。

 「おお、そうか。お前は今のうちにやっておいた方が良いぞ」
とは言うものの、自分の装具を辞めることとは結びつかない。

 こういう会話をした直後に、私は父に言われる通り「靴下の儀式」を遂行する。面倒であり時間のかかる手順も効果があることなら喜んでやってあげたいが、悪化を助長しているかもしれない自己流の儀式ともなると、なんとも虚しくなるばかりだ。

 何かにすがっていないと不安で仕方がないという病気かもしれない。
 依存症とでもいうのだろう。

 今信じているものが、いつ何に変わるか興味もあるものの、面倒なことにのめり込まないことを祈るばかりだ。

 

この記事へのコメント

inemuri
2013年12月23日 10:52
~~~ヾ ^∇^おはよー♪ mama
大変ご無沙汰しています。
今年は本当に多難?が続いているようで・・・お察しいたします。

ご立派なお父様なのに『が・ん・こ』?の一言では言い尽くせないご様子

思い込みの激しさや依存症?にまで感じてしまうって
身近な者にとっては苦しさに繋がってしまうこともありますよね。

本来は人を許す心や、受け入れる心があれば解き放たれていくことなのでしょうが・・・

これって、本人が気付くまで見守ることしかできない
家族だから出来る見守りなのかもしれない

骨折の回復も時間がかかり介護が大変なmamaですが
なんとか乗り越えてくださいね

2013年12月23日 11:36
我が母・・88歳
洗濯物のたたみ方にこだわりを持っている。
洗濯物を畳むのが大変だと言うので、私流にたたんだら、隣の部屋に持っていきたたみ直していた。手伝うものか!!と思いました。
yu_mama
2013年12月23日 17:50
inemuriさま
ここに 「inemuriさま」って書くの、久しぶりな気がしまーす。ようこそ
私、右肩が重くて痛いんですけど~ 何か乗っているのかもしれません。なんか悪いことが続きますよねー。

こういう性癖っていうのか、思い込みっていうのか、凝り性?? よくわかりませんが、私には「依存」に思える行動は、何が原因なのでしょうかねえ。

学歴とか職歴を見る限りでは、もう少し頭良さそうに思えるんですけど、こういう執着の様子を観察していると、どこかの回路がおかしいんじゃないかな~って思えます。

アスペルガーかな~?とも思います。人の言葉を理解できないんじゃないかしら?人とのコミュニケーション能力がないんじゃないかしら? 自分の言い分はきちんと伝えられるけど、人の言っていることの意味は理解できていないのかもしれないな~って。

何が大変って、夜の着替えにいく時の寒さ!!! 私の住まいのあるところは、東京の中でも都心より4、5度は気温の低い地域です。車が凍っているんですもの~。震えながらの運転です。
yu_mama
2013年12月23日 17:57
三毛猫さま
ああ、やっぱり「こだわり」が強くていらっしゃいますのね。洗濯物の干し方、たたみ方などに自分流があるという話は、よく聞きます。どうしても人に任せきれない流儀がおありなのでしょうね。
ま、自分でやれば~ って放っておけばいいのかもしれませんね。

父の「こだわりの儀式」も、今までは私も知らなかったわけで、勝手にやっている分には、どーーーーでもいいーーーんですけど、私がやらなければならない(やらされている)今、このやり方がどうしても「変に思える」のですよね。足のトラブルは、私もずいぶんと悩まされたので、色々調べもしていますし、整形外科や靴職人、シューフィッターなど専門家の話も聞いていますでしょ。父よりは知識があると思うのですが、父は自己流に絶大なる自信を持っていまして、そのへんが不思議です。
2013年12月24日 02:35
毎日毎日ご苦労さまです。 お忙しい中朝夜と2度もいらっしゃって完璧な介護だと思います。もしも私の夫であったなら1日中パジャマで起きた時上着を引っ掛けるくらいで過ごすのでは・・と。単身赴任中金曜夜帰宅から日曜までパジャマで平気な人でしたから。 お父様のご希望通りになさっていらっしゃるyu_mamaさん お優しい!! 田舎の母は脚が悪いくてしゃがめないのでお風呂の洗い場に椅子を置いたらお嫁さんに邪魔だと言われたと。自分達が入る時に脱衣所に出しておけばいいだけなのに。 こんな事ですら自分の思い通りにできなくて情けないと・・・。
2013年12月25日 00:02
ほんとうに、お疲れ様です。
お優しいんですよ、yu_mamaさま。なかなかできることではないです。
なんかいやな「気」がまとわりついて、いやだなー、って思ったらわたしは粗塩を一掴みバスタブにいれてゆっくりぬるめのお湯でお風呂に浸かります。
塩って浄化作用あるし、体もあったまるし、辛かったらお試し下さい。
本当はそのあとお神酒(日本酒)飲むとベストなんだけどw
無理せず、使えるところは使って、乗り切ってくださいね。
がんばれ!!!
yu_mama
2013年12月25日 13:16
リカステさま
「お優しい」んじゃーないんですよ。父の思う通りにしないと怒鳴られるからイヤなんです。自分を中心に地球が回っているような人ですから、私たちの都合なんて関係ないのです。ジャージで過ごして欲しいって言っても、「それはできない」の一言。朝と夜の着替えは必須だし、外出の時には、その時間に合わせて外出着に着替えさせねばならないのです。私の意見は言えない。私が大変だろうなどとは思っていませんからね。そう、長女は当たり前のことをしている!としか思われていないからね。
お母様のこと、切ないですね。たぶん、私の母が生きていて同じ立場だとしたら、お嫁さんに気を遣って肩身の狭い思いで暮らしていただろうな~と思いますので、リカステさんのお母様と重なる思いです。(もっとも我が家は、オンナ二人なので、母はお嫁さんというものを知りませんけどね)
yu_mama
2013年12月25日 13:23
ミルテさま
上のコメ返にも書きましたが、私は優しさからやってあげているのではないんです。そうしないと怒られるからなんです。
「塩風呂」ですか~。なるほど。やってみます。今日も、とっても嫌なことがありましたから。(毎日ブログネタには困らないですけど・・) お酒も身体が温まって良いかもしれないですが、飲んだり食べたりっていうのすら億劫で。チョコレートでも食べていればいいくらいの気持ちです。ま、夫もいますので食事は作っていますけどね。
週2日、朝の着替えだけでもヘルパーさんがやってくださるのが、唯一の息抜きになります。時間とか、労力の問題ではないんですね。顔を見ることが苦痛なんです。いつ怒鳴るかわからないっていう・・・今日も怒鳴っていました。。。トホホ。

こうなると、歌もピアノもまったくダメです。声も出なければ、ピアノの蓋を開ける気力も湧いてこなくなりますね。ヤダヤダ。
ご声援、ありがとう
2013年12月25日 16:29
外反母趾の儀式はお父様の自己流だったんですか!?でも、頑なに自分の考えが正しくて曲げない頑固さが、実家の父にそっくりです。そうそう、優しさからっていうよりも、怒らせてヘソが曲がった時の対処の方が大変だから黙ってやってあげるんですよね~。本当に、うちの父も怒らせると面倒なんです。
yu_mama
2013年12月26日 00:25
Selfishさま
自己流でやると悪化させて危険でもあるんですけど、今日、整形外科に行った時に外反母趾も診てもらおうって提案したら即却下。「どうせ治らん」と言っていました。
怒らせるつもりがなくても勝手に怒っています。医者に向かって怒鳴るものだから、私はとっても肩身の狭い思いをして震えています。誰も父にもの申せない。トホホです。

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